Milan Design Week 2026の御礼とご報告
Milan Design Week 2026 の御礼とご報告
YASUTA Veneered Surfaces & Designは、2026年4月20日から26日まで、
ミラノ・Via della Spiga 7にてインスタレーションを開催いたしました。
今年の展示テーマは 「Symmetry / Asymmetry – Enlightenment for a New Era」。
天然木突板の伝統的な製作工程で生まれる左右対称の木目(ブックマッチ)と、その背景に存在する自然本来の非対称性を通して、
人間がつくる秩序と自然が生み出す秩序、その両者の関係性を問いかける展示を行いました。
会場では、左右対称に構成されたブックマッチの突板が、来場者の足跡によって揺らぐ木漏れ日の中に静かに立ち並びました。
さらに別室では、幾何学的なグリッド構造と有機的な木のフォルムを響き合わせた照明作品を展示し、人間が生み出す秩序と
自然の秩序が共鳴する空間を表現しました。
私たちが見せたかったのは、美しい木目の製品そのものではありません。
その向こう側に広がる風景です。
一本の樹木が生きてきた時間。自然が育んだ差異や揺らぎ。そして、人の手が加わることで初めて立ち現れる秩序。その秩序は、
自然を支配するためのものではなく、自然に耳を澄まし、その声に応答しようとする営みの中から生まれるものだと私たちは考えています。
近代以降、デザインや建築は合理性や効率性を追求し、より良い社会を設計できると信じてきました。しかし、気候変動や
AIをはじめとする急速な環境変化に直面する今、その前提は静かに問い直され始めています。
いま求められているのは、世界を思いどおりに設計することではなく、不確実で多様な存在とどのような関係を結び、
ともに生きていくのかという視点なのかもしれません。
自然は決して完全な対称ではありません。一本の樹木の中にも無数の差異があり、揺らぎがあり、偶然があります。
それでも私たちは、その違いを受け入れながら、一つの秩序を見出してきました。
Symmetry / Asymmetryは、そのような自然のあり方を通して、秩序を「管理するためのもの」から、「世界との関係を育むためのもの」へと
捉え直す試みでもありました。
会期中は世界各国から多くの皆さまにご来場いただき、素材や自然、人間とデザインの関係について数多くの対話を重ねることができました。
この展示は、私たちにとって一つのインスタレーションであると同時に、これからの時代における人と自然、人と素材との新しい関係性を
考えるための問いでもありました。
私たちはこれからも突板という素材を通して、人と自然が響き合い、ともに未来を育んでいく可能性を探求し続けてまいります。
ご来場いただいた皆さま、そして応援してくださったすべての皆さまに、心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。
































