Milan Design Week 2020 出展のご案内

予定しておりました “エデンの園”の展示につきましてはCovid_19の影響により延期させていただきます。

Milan Design Week 2020 のご案内

——“楽園”とは誰の視点によるものだったのか？

本年の弊社展示テーマは、「エデンの園」。
それは西洋宗教が描いた“はじまりの地”であり、
同時に、人類が追放された“失われた場所”でもあります。
しかし、私たちはあらためて問いかけます。

その「楽園」は、誰の楽園だったのか？
そしてその物語は、誰の声によって語られてきたのか？

19世紀以降、ヨーロッパが描いてきた理想や文明の姿は、
「未開」「原始」と名づけられた他者の文化や暮らしを、
静かに周縁へと追いやってきました。
信仰や教育、あるいは美や秩序の名のもとに、
大地と精霊に宿る物語は断ち切られ、
多くの暮らしの営みが“無言”のままに塗り替えられていったのです。

いま、私たちはデザインの原点を見つめ直します。
装飾ではなく、征服でもなく、
言葉を持たないものたちとの対話のかたちとして。
手と手が重なり合い、異なる感覚が交わりながら、
新たな世界を編みなおしていく術としてのデザイン。

エデンは、どこか遠い神話の中にあるのではなく、
異なる文化が共に息づき、語り合うことで浮かび上がる
“もうひとつのはじまり”であると、私たちは信じています。

ミラノの春、
かつて楽園を失った私たちが、あらたに出会い直す場として。
皆さまとご一緒できることを、心より願っております。