About
木をデザインすることで、木が風景を創る
それは単なる素材づくりではなく、私たちにとっては、自然と人とを静かに結ぶ文化的な試みなのかも知れません。
突板というスライスされた木を用いる天然木化粧合板。その表情は同じ樹種であっても一本ごとに異なり、木目や色合いには土壌や気候、そして数十年から
数千年の時を経て刻まれた痕跡が宿ります。私たちはその軌跡に手仕事を重ね、木そのものが秘める力や佇まいを引き出そうとしています。
空間やプロジェクトにふさわしい突板を見出す過程もまた、素材を選ぶ作業にとどまりません。一枚一枚の木の個性に耳を澄まし、クライアントと共に対話を
重ねながら、その空間が持つ気配と響き合う表情を仕立てていきます。
私たちの姿勢は、木を「使う」ことではなく、木と「共に在る」こと。
森の時間や土地の記憶を抱いた木と、これから人が過ごす空間とを静かに結び合わせること。
それは生活の中に流れる空気やリズムをカタチにする行為でもあります。
大きく語ることはできませんが、もしかするとその姿勢は、服飾の世界で「maison」と呼ばれるあり方に少し似ているのかもしれません。
職人の精神とその日々に宿る働く歓びを大切にしながら、ものを売ることを超えて、文化や生活芸術の担い手として歩み続ける——。
私たちの小さな工房もまた、そのような役割を静かに果たしていければと願っています。
安多化粧合板株式会社
所在地: 大阪府八尾市太田新町7丁目163番地
TEL :072-949-5746 FAX:072-948-2185
e-mail: info@yasuta.com